冬芝の種を撒くオーバーシードのやり方
芝生を育てている方ならオーバーシードという言葉、聞いたことがあるのではないでしょうか?
「実際に挑戦するには少しハードルが高そう…」とか、「オーバーシードをやってみたいけどどうやるか分からない…」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、私自身も初めてとなるオーバーシードに挑戦し、そのやり方や結果をご紹介していきたいと思います。
オーバーシードとは?
まずは「オーバーシード」を知らない方のためにも、オーバーシードについて説明しておきましょう。
日本で多く栽培されている芝生は、春から夏にかけて青く茂り、秋から冬の間に茶色く枯れていきます。
一般的な植物や木々と同じサイクルですね。
しかし、ゴルフ場やサッカー場では、11月や12月という冬の間でも青々と芝生が茂っています。
これは、春から夏の間は日本芝を、秋から冬の間は寒冷地用の芝生を植えて、季節に応じで芝生の品種を変えながら栽培しているからなのです。
1年を通して使用される競技場などでは、芝生を切り替えるときに「芝生そのものを張り替える」という方法がとられていますが、庭の芝生で全面張替えをするとなると莫大なコストがかかります。
一般的には、日本芝がまだ生えている8月~9月ごろに寒冷地用の西洋芝の種を撒いておき、日本芝が枯れる頃に冬芝を成長させる(入れ替わらせる)という方法がとられます。
この方法が「既に生えている芝生の上に種を撒く」ということからオーバーシードと言われているのです。
ちなみに、日本芝が生えている場所に西洋芝をオーバーシードしても日本芝は生き続けますから、春になれば新しい芽が出てきます。
一方冬芝は1シーズンだけの栽培となりますので、翌年の冬に芽を出すことはありません。
1年を通して芝生を楽しみたいときは、毎年冬芝のオーバーシードが必要となります。
初めてのオーバーシード
私が初めてオーバーシードをしてみようと思ったきっかけは、梅雨が長く長雨となった年の夏でした。
この年は梅雨が長く、梅雨の晴れ間もないほど雨が降り続いていました。
雨水がたまりやすい庭の壁際や日当たりの悪い箇所を中心に、ほとんどの芝生が根腐れを起こしてしまったのです。
そのため、この夏は芝生を十分に楽しむことができなかったのです。
「来年の春まで待つのは長すぎる…」
そう思って考えたのが、これまでやってこなかったオーバーシードです。
いきなり全面をオーバーシードしなくても、根腐れを起こしてしまった場所を使って練習がてらにやってみようと思ったのです。
根腐れを起こして、初めてオーバーシードをすることにした場所がこちら。
8月の終わりでこの状態。
ほとんどの葉が枯れています。
日当たりがあまり良くなく、根腐れの被害も大きかった場所です。
もしもオーバーシードが失敗しても、春には張替えを行わなくてはいけないような状態ですので、実験だと思って冬芝の種を撒いていきます。
そして、オーバーシードに使用した種ですが、一般的な冬用の芝生である「ケンタッキーブルーグラス」を選びました。
日本でも栽培が盛んで、北海道などでは牧草などとしても栽培されています。
写真は1㎡用の小さい袋ですが、本格的にオーバーシードをする際は大容量の袋売りもあります。
冬芝へのオーバーシードのやり方
ここからは、実際のオーバーシードのやり方と、栽培の記録をご紹介していきます。
まずは、植えてある日本芝の芝刈りを行い、短く刈っておきましょう。
私の家の庭のように、9割近く枯れてしまっていろうような状態であればハサミで整える程度で大丈夫です。
土が固く締まっているようならエアレーションもおこなっておきましょう。
続いて、冬芝が発芽した後に養分を吸えるように、日本芝の上に芝生用の肥料を撒いておきます。
大量の雨で流れ出てしまった養分の補給も兼ねています。
そして目土を入れて平らに均してます。
この時の目土は冬芝が根を張る土となりますので、培養土などを使っても良いです。
化成肥料が混ざり合うようにしながら平らにしていきましょう。
続いて種の準備です。
芝生の種は非常に細かく、サラサラとしています。
このまま撒いても構わないのですが、10倍くらいの砂に混ぜてから種まきをすると均一に種を撒くことができます。
バケツに砂を入れ、種も一緒に投入します。
種が擦れて潰れてりしないように優しくかき混ぜます。
砂と種が混ざり合ったら、先ほど目土を入れた場所に均一に撒いていきます。
縦・横・斜めと、偏らないように撒くようにしましょう。
(砂が十分に乾いてから蒔いた方が、蒔きやすかったかもしれません。)
最後に乾燥防止のために芝生の目土で表面を覆ったら、オーバーシード(種まき)の完了です。
発芽するまではたっぷりの水を与えて、乾かないように管理していきましょう。
続いては、オーバーシードしたケンタッキーブルーグラスの成長をご紹介します。