芝が軸刈りから復活するまで
芝刈り機で芝丈を短くしすぎたり、バリカンでの芝刈りが慣れていなくて深く刃を入れてしまった時、芝生が茶色くなってしまうことってありますよね。
芝刈り後に芝が茶色くなってしまうのは、芝を「軸刈り」してしまったことが原因です。
今回は、芝刈りで軸刈りをしてしまった時に軸刈りは復活するの?回復するの?と心配されている方のために、軸刈りの復活実験をしてみましたので、参考にしてみてください。
芝生の仕組み
まずは軸刈りとは何か?から説明します。
下記の芝生のイラストをご覧ください。
芝生は匍匐茎(ほふくけい)を伸ばすことで横に伸び、直立茎で縦に伸びます。
そしてこの直立茎の成長点から葉が茂ります。
これが基本的な芝生の仕組みです。
芝は芝刈りをしないでいると、どんどんと縦に伸びようとする特徴があります。
その時、葉だけが伸びるのではなく、直立茎も一緒になって伸びています。
この直立茎が伸びた状態で、短く芝刈りをしてしまうと、、、
緑色の葉が無くなり、茶色い直立茎がむき出しになってしまう状態になります。
これが「軸刈り」と呼ばれる状態です。
実際の芝生の写真でも確認してみましょう。
綺麗に色が分かれていると思いますが、上から葉・茎・根となります。
葉の部分で切るのが通常の芝刈り、茎のところで切ってしまうのが「軸刈り」となります。
通常横から見ることはできませんが、このように実物を見ておくと、今後の芝刈り時に茎のイメージがしやすいと思います。
軸刈りは復活するのか?
直立茎を切ってしまっても、茎に残った成長点から再度葉が生え始めたり、匍匐茎から新たな直立茎が伸びてくることもあります。
または、まわりの匍匐茎(横に伸びる茎)が軸狩りをした部分に伸びてくることで、新たな葉によって茶色くなった部分が目立たなくなっていくこともあります。
しかし軸刈りは芝生に相当なダメージを与えますので、軸刈り状態から緑の芝生に復活させるためには、土の状態や、まわりの芝が元気な状態でなければ回復に時間がかかります。
なので軸刈りをしてしまった時には、葉を形成するため窒素分の補給が効果的で、即効性のある「硫安」と、液体よりは持続性のある「化成肥料」を撒いて、しっかりと水やりを行うと良いでしょう。
軸刈り復活実験
軸刈りからどれくらいで緑の芝生に復活するのか?皆さん気になるところですよね。
そこで軸刈りからの復活を実験・検証するために、わざと芝生の一部を軸刈りにしてみました。
軸刈りすると、このように茶色い茎が姿を現します。
ここから、いったい何日くらいで緑色の芝生に戻るのか、観察してみたいと思います。
軸刈りしてから4日後。
一部残っていた葉の部分が、勢いよく伸びています。
軸刈りした茶色い部分はまだ多く見受けられます。
軸刈りしてから6日後。
伸びている緑色の葉の長さが全て同じなので、新たに芽生えた葉は少ないようです。
そして軸刈りから10日後。
だいぶ葉も伸びてきたので、一度芝刈りをして最初と同じ長さに戻します。
わずかですが、最初に軸刈りをした時より緑の葉が増えているように感じます。
さらに軸刈りから15日が経過。
葉が伸びてくるに従い、密度が上がっているように見えます。
軸刈りから20日が経過すると…
全体からまんべんなく緑の葉が生えてくるようになり、軸刈り部分もだいぶ回復してきたのではないでしょうか?
いかがでしょうか?
一番最初の写真と比べると、明らかに茶色い部分が減り全体に葉が茂ってきました。
つまり軸刈りから復活してきているという兆候になります。
今回の実験から、芝が健康な状態であれば、芝生の軸刈りは約20日で目立たなくなるということが解りました。
軸刈りをしてしまって心配な方、まずは20日を目安に丁寧に管理を続けてみましょう。
もし20日ほど経過しても今回紹介したような回復が見込めず、芝生の状態が悪いようであれば、液体タイプの芝生専用肥料も使用してみてください。
回復が促されます。
肥料や定期的な芝刈りを行った、1年後の様子がこちら。
完全に軸刈りから回復しています。
このように、軸狩りをしてしまったあとでも「定期的な芝刈り」と「適切な肥料」を与えれば、芝は元気に復活してくれます。