新築住宅の芝生化計画
新築建売住宅の庭をきれいな芝生にするブログ

芝生の元気がない、育たない。

カテゴリー:芝生の元気が無いとき01月18日
元気がない芝生

芝生が思うように育たずに元気がない青くならないという場合、大きく分けると土に原因があるものと、害虫に起因するものの2つに分けられます。
ほとんどの場合は土が固まってしまうことにありますが、原因がわかってしまえば対策はとれますので、元気な芝生に戻すためにぜひ参考にしてみて下さい。

元気がない芝生はどうなっているのか?

見た目からして枯れているとか、まったく青くならないという状態の時、芝生の根はどうなっているのでしょうか?
実際に上手く育たなかった芝生をめくって確認してみました。

まずは元気のよい、青々とした芝生をめくった写真から。
元気の良い芝生の根白く細長いのは、芝生の根です。
芝生をめくったときに少し根っこが切れているので実際はもっと根は長かったのですが、それでもこれだけ芝生から白い根が伸びているのが分かると思います。
根が白いのは生きている証拠で、これが元気に育っている芝生となります。

それでは次に枯れて元気のない芝生をめくってみましょう。
元気のない芝生の根「これはなに?ただの土?」と思った方もいるかもしれません。
これは正真正銘、元気のない芝生をめくった裏側の写真です。

まるで元気の良い芝生とは違い、まず見た目からして根が見えていません。
そして土が塊となってくっついています
このような土では、当然根が伸びることができませんし、新鮮な空気も入ってこないので成長も悪くなります。
こうなってしまう原因は、芝生を植えた時の土作りにあります。
しっかりと土作りをしなかったか、庭土にそのまま芝生を貼ってしまうとこういう状態になります。

土に原因があり芝生が青く元気にならない場合

壁際などの芝生は良く育っているが「普段歩く場所が育たない」という場合は、上記と同じように土が固くなってしまい根が張れないでいるか、芝生に空気が行き届いていない可能性があります。
元気がない芝生こちらは、土が踏み固められ芝生に元気がなくなった状態。

こういった場合、ネット上では「エアレーション」という方法(土に穴を開ける作業)がよく紹介されていますが、私はおすすめしません。
なぜかと言うと、よく歩く場所ということは一時的にエアレーションで空気をいれたとしても、根本的な土の固さが改善されるわけではなく、雨が降ったあとにまた何度も踏み固めてしまえば慢性的な酸素不足は解消されることにはならないためです。
私の経験上このような状態になってしまう芝生は、上記同様に植え付け時に土が硬いまま植えてしまったか、土作りをしなかったことによる可能性が高く、つまり最初の土作りで失敗していると思われます。
ですからエアレーションだけでは土の状態を良くすることはできないのです。

ここまでの内容をご覧いただき「もしかして土が硬いのかも?」と感じたら、一部の芝生を剥がして根と土の状態を確認してみましょう。
ご紹介してきた写真のような状態であれば、試行錯誤するよりも、いっそ芝生を剥がして1からやり直しましょう。
結果的に芝生を剥がして土作りからやり直した方が、綺麗な芝生に回復するのは早いですし、なによりも今後の管理が楽になるはずです。

密度の高い姫高麗芝 6m2高麗芝より密度が高く、色鮮やかな芝生。

またその際に、芝生に足場を作ることも有効な手段です。
詳しくは芝生の土を固くさせないために踏み石を設置する方法をご覧ください。

土を柔らかくする方法

土というのは、中に入っている成分が変わらない限り、何度を耕しても踏まれてしまえばまた固まってしまいます。
ですから、まずは土の成分から変えていきましょう。

土が固まるのは、土の成分として粘土質な土が多く含まれているということです。
住宅の庭に使われている土がこれに当たります。

一方、ほとんど固まることなくサラサラな状態が維持されるのは「砂」や「ピートモス」と呼ばれる苔などの堆積物からできた土。
砂はご説明するまでもないと思いますが、どんなに踏まれても固まることが無く、雨が降っても乾燥すればまたサラサラに戻ります。
こういった砂を土に混ぜるのが効果的です。

ただ砂だけでは植物に必要な養分が足りませんので、上記でご紹介したピートモスや、堆肥を混ぜて土の状態から改善を試みても良いでしょう。

芝生の土作りについては、こちらの庭に芝生を張るための土作りで詳しくご紹介しています。

害虫による生育不良

土作りはしっかりとできているのに、芝生に元気がなく青くならないという場合は、芝生最大の天敵「コガネムシの幼虫」の仕業でほぼ間違いありません。
(細かい種類は色々あるようですが、つまりは芋虫のことです)
コガネムシの幼虫にやられた場合は、芝生の一部分だけが枯れたり、卵を産みつけられやすい壁際など端から枯れてくるので、原因はわかりやすいです。
ただ成虫に卵を産みつけられてしまった場合、1匹だけ孵化して根を食害しているという可能性は低く、集団で広範囲を襲撃している可能性もあります。

こちらがコガネムシの幼虫。一応ぼかしてます。
土の中にいたコガネムシの幼虫

コガネムシの幼虫は芝生の根の部分に潜んでいますから、掘り返して補殺というのは現実的ではありません。
よって駆除の方法は農薬の使用となります。

代表的な農薬は「スミチオン」。
もしくはスミチオンとマラソンの混合「スミソン」などです。

効果は農薬の物理的な接触、または農薬がついた葉や根を食べることで現れます。
このことから、農薬が雨で流れてしまったり風で蒸発してしまわないように、晴れた穏やかな日に散布を行うと効果が高いのでおすすめです。

農薬は使用方法を守れば安全です。
散布の際は、しっかりとマスクとグローブをして肌に付着しないように注意しましょう。

芝生を元気にする方法

夏の暑さや直射日光で元気が無いという場合には、速効性肥料が効果的です。
芝生の肥料はメネデールが一般的ですが、弱っている時には、プロや花屋さんでも使用されるHB-101が最適な液体肥料です。
わたしも芝生だけでなく家庭菜園にも使っていますが、効果が目に見えて分かります!
1本あれば芝生の元気が無くて困ったときにすぐ使用できます。

もしも芝生の元気がない原因に、上記の土にも害虫にも当てはまらないという場合、芝生は丈夫な植物ではありますが病気にかかっているということも考えられます。
肥料を与え過ぎていたり、農薬の使い過ぎ、長雨など原因は様々ですが、病気にかかると見た目にも分かりやすいので、病気かなと思ったら回復を待つより部分的な貼り替えをおすすめします。

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